私は理系の人間なので、物事を原因と結果で考える癖があります。
何か問題が発生したら原因を調べる。
改善策を考える。
実行する。
そして結果を確認する。
うまくいけば成功。うまくいかなければ失敗。
この考え方は仕事では非常に役に立ちます。
しかし養老孟司氏の『超バカの壁』を読んでいて、この考え方にも限界があるのだと改めて考えさせられました。
特に印象に残ったのが次の一節です。
「ああすればこうなる」式の考え方というのは意識中心社会ならではの考え方です。
読んだ瞬間、思わず立ち止まりました。
なぜなら、まさに私自身が日頃からやっていることだったからです。
理系は因果関係を求める
理系分野では再現性が非常に重要です。
たとえば電子回路。
入力電圧を加えれば出力が得られる。
計算通りの電流が流れる。
シミュレーションの結果と実機の結果が一致する。
こうした世界では、
「ああすればこうなる」
が成立しなければ困ります。
ロケットも同じです。
打ち上げる前に軌道計算を行い、燃料を計算し、誤差を評価する。
月へ向かう計画を立てたのに火星へ飛んでいったら大失敗です。
入力と出力が一致することが正しい世界です。
しかし人間は回路ではない
問題は、この考え方を人間にも当てはめてしまうことです。
たとえば教育。
教えたから理解するとは限りません。
褒めたからやる気が出るとも限りません。
逆に少し失敗した経験が成長につながることもあります。
子育てでも同じです。
正しいと思ったことを伝えても、まったく響かないことがあります。
しかし何年も経ってから突然理解することもあります。
入力と出力が一致しないのです。
生き物とはそういうものなのだと思います。
ブログ運営でも同じだった
これは私が長年続けてきたブログ運営でも感じます。
始めた頃は、
「この記事を書けばアクセスが増える」
「このキーワードなら収益が出る」
そんなことをよく考えていました。
もちろん一定の法則はあります。
しかし実際には予測通りにならないことも多い。
力を入れて書いた記事が読まれないこともある。
逆になんとなく書いた記事が検索上位に居続けることもある。
SEOには法則があります。
しかし現実には、人間の検索行動や世の中の流れが関係するので、機械のようにはいきません。
最近の自分にも当てはまる
実は最近、この考え方を副業探しにも当てはめていた気がします。
Udemyを作れば収益化できる。
アプリを作れば収益になる。
読書ブログを始めればアクセスが集まる。
投資を始めれば資産が増える。
どれも可能性としては正しいでしょう。
しかし、
「これをやればこうなる」
と単純には決まりません。
市場の状況もある。
タイミングもある。
自分との相性もある。
継続できるかどうかもある。
そう考えると、生きた人間が関わる世界は、回路設計ほど単純ではありません。
それでも法則を探すことは無駄ではない
だからといって法則を探してはいけないわけではありません。
むしろ理系的な考え方は非常に重要です。
仮説を立てる。
実験する。
結果を観察する。
改善する。
この繰り返しによって前進できます。
問題は、
「自分の仮説が絶対に正しい」
と思い込むことです。
養老氏が言いたかったのは、法則そのものを否定することではなく、
世界は思っているより複雑であることを忘れるな、
ということなのかもしれません。
読者ならどう活かせるか
もし仕事や副業、人間関係で行き詰まっているなら、
「この方法は絶対に正しい」
と思い込んでいないか、一度振り返ってみると良いかもしれません。
上手くいかないのは努力が足りないからではなく、
そもそも人間の世界がそんなに単純ではないからかもしれません。
理系人間は物事を論理的に考えるのが得意です。
しかし同時に、自分が思っているほど世界は論理だけでできていないことも覚えておく必要があります。
『超バカの壁』のこの一節は、私にとって「もっと柔軟に考えろ」という警告のように感じました。
法則を探すことは大切です。
ただし、その法則に縛られすぎないことも同じくらい大切なのだと思います。