仕事をしていると、誰でも一度は雑用に嫌気がさすことがあると思います。

 コピー取り。

 資料作成。

 議事録。

 データ整理。

 現場対応。

 自分が本当にやりたい仕事ではない。

 もっと重要な仕事がある。

 そう思うことも少なくありません。

 私自身もそうでした。

 そんな中、『超バカの壁』を読んでいて、雑用に対する見方が少し変わる一節に出会いました。

 非常にシンプルな言葉ですが、キャリアについて考える上で重要な考え方だと思いました。

雑用を嫌う理由

 そもそも人はなぜ雑用を嫌うのでしょうか。

 大きな理由の一つは、

 「成長につながらないように見える」

 からだと思います。

 せっかく専門知識を持っているのに雑務ばかり。

 せっかく技術者になったのに事務作業ばかり。

 せっかく経験を積んだのに誰でもできる仕事ばかり。

 そんな気持ちになるのは自然なことです。

 しかし、養老氏はむしろその考え方に疑問を投げかけています。

キャリアは後から振り返ってつながる

 人生を振り返ると、最初から計画通りだったことは意外と少ないものです。

 私自身、電気を専門に学んできた人間ではありません。

 電子工作に興味を持ち、独学で勉強し、その延長線上で現在の仕事につながりました。

 もし当時、

 「これは本筋じゃない」

 「こんなことは自分のやりたいことではない」

 と切り捨てていたら、今の仕事にはたどり着いていなかったかもしれません。

 振り返ると、一見遠回りに見えた経験が今の仕事で役立つことは少なくありません。

 しかし、その時点ではそれが分からないのです。

ブログ運営でも同じだった

 これはブログ運営でも感じます。

 今振り返ると役に立っている経験でも、当時は意味があるとは思えませんでした。

 WordPressの設定。

 サーバー移転。

 SEOの勉強。

 画像編集。

 アクセス解析。

 どれも記事を書くこととは直接関係ないように見えます。

 しかし長く続けるうちに、それらが全て積み重なってブログ運営の力になっていました。

 むしろ記事執筆よりも、そういった周辺スキルの方が価値を持った場面もあります。

 その意味では、雑用と本業を明確に分けること自体が難しいのかもしれません。

小さな仕事が次の仕事を連れてくる

 もう一つ面白いと思ったのは、

 雑用そのものより、

 雑用をきっかけに人とのつながりが生まれることです。

 頼まれた仕事をやる。

 少し期待以上の成果を出す。

 すると次の仕事を任される。

 さらに新しい人を紹介される。

 そうやって機会が広がることがあります。

 実際、多くの仕事は公募よりも人づてで回っています。

 だから雑用が無駄なのではなく、

 雑用の先にある可能性が見えていないだけなのかもしれません。

最近の自分を振り返って思うこと

 最近はブログの更新も止まり気味で、新しい収益源や新しいテーマを探していました。

 読書。

 Udemy。

 投資。

 データ分析。

 いろいろ考えています。

 その中でふと思ったのが、

 「どれが正解なのか」

 を探そうとしていたことです。

 しかし養老氏の考え方に照らし合わせると、

 正解を探すより、

 目の前に来たことをやってみる方が重要なのかもしれません。

 実際、電子工作もブログもそうやって始まりました。

 最初から未来が見えていたわけではありません。

 とりあえずやってみた。

 それが後から仕事や収益につながったのです。

読者ならどう活かせるか

 もし今、

 「こんな仕事は意味がない」

 「雑用ばかりで成長できない」

 と感じているなら、一度だけ視点を変えてみても良いかもしれません。

 その仕事を通して、

 何を学べるか。

 誰とつながれるか。

 どんな経験が得られるか。

 を考えてみるのです。

 もちろん、本当に価値のない仕事もあるでしょう。

 しかし将来どの経験が役立つかは、その時点では分からないことがほとんどです。

 養老孟司氏の言葉を借りるなら、自分で勝手に筋を決めてしまうことで、チャンスを減らしている可能性があります。

 雑用は決して魅力的な仕事ではありません。

 しかし振り返ったときに、

 「あの経験があったから今がある」

 と思えるものの多くは、意外とそういう地味な仕事だったりするのではないでしょうか。